事業概要
わが国での福祉用具は、介護保険制度の導入や障害者制度の充実に相まって、着実にその利用者を増やし続けている。また、その福祉用具の適合を的確に行うことは、利用者の自立支援や介護者の負担軽減に直結し、利用者の社会参加の機会も拡大させることになる。
しかし、在宅介護での福祉用具導入は介護保険制度が利用できるが、福祉施設での福祉用具は備品扱いであることに相まって、「介護は人手で行う」という施設福祉にありがちな固定観念から、適切な福祉用具導入が図られていない。さらに、福祉用具利用を推奨した「腰痛予防対策指針」が遵守されていない状況で、休業4日以上の労災申請件数は毎年増加し続けていることも見逃すことができない現実である。
一方、福祉施設における避難器具は、消防法で「避難袋や避難はしご等」になっているが、寝たきりの高齢者や重度の障害者は実際に使用することはできない。しかし、福祉用具の中にはこれらの者に対応した福祉避難用具が開発・輸入されている。したがって、これらの普及のために取扱い方法について講習を行えば、福祉施設での安心・安全を確保することは可能だと考えられる。
福祉用具関係団体・機関(公益財団法人テクノエイド協会、一般社団法人全国福祉用具人材育成協会、各義士装具士養成校等)では、「福祉用具プランナー研修、可搬型階段昇降機安全指導員講習、車いす姿勢保持基礎講習、福祉用具専門相談員講習」などの福祉用具取扱いのための様々な人材育成や認定が行われているが、これらは各関係団体・機関の独自な人材育成で、それぞれは有機的な連携を持たないまま実施されている。
そこで、これらの人材育成に当法人独自の人材育成システムを融合させ、介護現場において、福祉用具を適切に取り扱える人材を養成、また労働環境を改善し、福祉用具サービスが十分に展開できるようにする。